ドローンの登録が義務化されます

ドローン・機材

2022年6月20日以降、電池まで含めた機体重量が100g以上のドローンは登録および機体の高度、位置、速度などの情報を発信するリモートIDの搭載が一部例外を除き義務化されます。

今まで許可承認が必要ない場所であっても、登録がない機体は飛行そのものができなくなり、違反した場合は処罰される事となりました。

私は業務で使用するため、事前登録初日の12月20日にオンラインで所有機の登録を完了し、「登録記号」の交付を受けましたが、ドローン登録がまだの方、そもそもドローン登録ってなに?という方もいらっしゃると思いますので、登録制度のポイントについてまとめてみました。

この記事でわかること
  • ドローンの登録制度のポイント
  • 義務化に伴う影響は?
  • ドローン登録の申請タイミング

ドローン登録制度とは

ドローン(マルチローター機)、ラジコン機など無人で飛行する航空機のうち、バッテリーを含めた機体重量が100g以上の機体については、2021年10月12日に閣議決定された改正航空法により機体の登録、登録記号の表示及び機体の情報をBluetoothで発信するリモートIDの搭載が義務化されることになりました。

なお、義務化の施行は2022年6月20日からとなります。

リモートIDとは

  • 機体個別の識別情報や位置、速度、高度等の飛行情報を個人情報を含まない形でBluetoothにて発信する装置
  • 1〜2万円くらいの価格で数十グラムの機器を外装または内装することになる
  • まだ進行中の部分がありはっきりしないところもある

ドローン登録制度の目的

国土交通省が公表しているドローン登録制度の目的は以下のとおりです。

  1. 事故発生時などの所有者の特定
  2. 事故の原因究明や安全確保のため
  3. 安全上問題のある機体を拒否し安全を確保するため

目的について思うこと

最近の流れでは物流利用や空を飛ぶ車など「レベル4」での規制緩和による産業育成が見込まれていますが、こういったドローンとの事故を想定しているように思われます。つまり、趣味でドローンが飛んでいるとじゃまになる。

今回の改正航空法で、趣味で飛ばすラジコンも私有地内であっても従来のように自由に飛ばせなくなりましたし、ホビーとしてドローンを楽しんでおられる方々も徐々に減少するのではないかと思っています。

今回の改正がテロ利用なども想定した国際的な流れであることは理解できますが、個人の権利を制限することでもあリますので、ぜひとも特定の組織や団体の利権や癒着にだけは繋がらないでほしいと切に願っています。(あくまで私見です。)

登録方法は?

登録方法の選択

オンラインでも紙媒体でも可能です。

オンラインでは、本人確認をマイナンバーカードで行う場合と、画像で提出する2通りの方法があり、紙媒体では、申請書類を郵送する方法となります。

手数料

申請手数料はそれぞれの方法により異なっており、おそらく普及を狙ってのことと思いますが、マイナンバーカード利用が一番お得になっています。

出典:ドローン登録ポータルサイト

手数料の納付はクレジットカード、ペイジー(Pay-easy)対応のATM、ペイジー(Pay-easy)対応のインターネットバンキングです。私はクレジットカードで納付しました。

登録手数料について、事業用の場合の徴収は理解できますが、個人でも同額というのには違和感がありますね。

余談ですが、電波の利用を例としてあげると、事業の場合と個人の場合で明確に区別されていて、事業で使用する場合のみ総務省に電波使用料を支払う事になっています。

アマチュア無線では使用料を払う必要はありませんし、開局の手続き自体が異なります。

違反したらどうなる?

施行は2022年6月20日からですが、それ以降、登録していない機体については、飛行することはできなくなります。

違反すると50万円以下の罰金か1年以下の懲役に処せられることとなりますので、必ず登録するるようにしましょう。

国土交通省の無人航空機登録ポータルサイトはこちら。

リモートIDが免除される条件は?

リモートIDの搭載は、以下の条件のいずれかに当てはまれば免除されるとされています。

  1. 2021年12月20日から2022年6月20の施行までの事前登録期間中に登録を行った無人航空機
  2. 予め国に届け出た特定区域の上空で行う飛行であって、無人航空機の飛行を監視する補助者の配置、区域の範囲などの明示などの必要措置を講じた上で行う飛行
  3. 十分な強度を有する紐など(長さが30m以内のもの)により係留して行う飛行
  4. 警察庁、都道府県警察、または海上保安庁が警備その他の特に秘匿を必要とする業務のために行う飛行

つまり、1番の事前登録期間中の登録のみが免除される現実的な方法となります。

3番の係留については、ビル壁面の点検などでワイヤーに係留することが想定されていると思われます。

空撮目的などでの地上定点係留飛行は、ローターに巻き付いたり、草木や石にワイヤーが引っかかったりして姿勢を崩すとかえって危険と思いますので、やらないほうがいいでしょう。

今回の改正の影響

100g以下の機体も対象に

今回の改正で影響が大きいのは、いままで200g以上が許可承認の対象だったものが100gまで下げられたこととリモートIDの義務化です。

今まで禁止空域以外では許可承認が必要なかったDJIのMAVIC mini、mini2など、200g以下のホビーユーザーのボリュームゾーンの機体のみならず屋外で飛行可能なトイドローンなども規制の対象になります。

リモートIDは小型機キラー

なかでも、リモートIDについては、コストがかかるうえ十数グラムと言われる装置を100g程度の小型の機体に搭載することで飛行性能に致命的な影響を及ぼすことが懸念されています。

場合によっては、風に煽られて墜落の原因になったり、最悪離陸すら困難になることも考えられます。

DJI機についてはファームウエアのアップデートで可能になるとの噂がないわけではありません。しかし、当のDJIからは公式な発表はありませんし、技適の問題や旧型機種にコストを掛けて各国用のカスタマイズをするかと考えればあまり期待はできないでしょう。

ぜひ活用したい事前登録制度

できれば搭載したくないリモートIDですが、2021年12月20日から始まった事前登録を行う機体については搭載しなくて良いことはすでに書いたとおりです。

3年後の更新時にどうなるかはわかりませんが、とりあえず2020年6月19日までに事前登録が完了すれば適用されますので、これを利用しないという選択肢はないですね。

なお、登録時に交付されるJUから始まる登録記号は、所定の書式で機体に表示する必要があります。

MAVIC AIR 登録記号表示例

記事のまとめ

  • 2022年6月20日よりバッテリーを含む重量が100g以上の無人航空機は登録が必要となり、リモートIDの搭載が必須となります。
  • 2021年12月20日〜2022年6月19日までは事前登録期間となっています。
  • 事前登録期間に登録するとリモートIDの搭載が免除されるので事前登録が有利です。
  • 登録後交付されるJUから始まる識別記号の表示が必要です。